「IF(ISERROR(VLOOKUP」の意味と使い方|エラー処理
ここでは、「IF(ISERROR(VLOOKUP」と意味と使い方を解説します。
エラー処理に使われる形ですが、別のもっと簡単な方法もありますので、そちらも説明します。
なお、IFERROR関数とVLOOKUP関数の組み合わせの話は次のページに引っ越しました。
1.ISERROR関数とは?構文も確認
始めに、ISERROR関数とはどんな関数か、意味と一般的な使い方、動きを見てみます。
1-1.ISERROR関数とは
ISERROR関数関数とは「カッコ内の結果がエラーかを判定する」関数です。
カッコ内の数式がエラーだと「TRUE(真)」、エラーではないと「FALSE(偽)」を返します。
【1÷0の「#DIV/0!」エラーをISERROR関数で判定した様子】
それを知ってどうするの?といった疑問がわくと思いますが、ISERROR関数は一般的に単体では使いません。
IF関数と組み合わせて、真の場合は〇〇、偽の場合は△△…などとエラーかそうでないかによって返す値を変えるために使われます。
1-2.ISERROR関数の構文
ISERROR関数の構文は、次の通りです。
=ISERROR(テストの対象)
「テストの対象」には、エラー判定したい数式を入れます。例えばVLOOKUP関数を使った数式がエラーになるかを判定したいときには、次のようになります。
VLOOKUP関数がエラーになれば「TRUE」、そうでなければ「FALSE」と表示されます。
2.「IF(ISERROR(VLOOKUP」の意味と使い方
では、「IF(ISERROR(VLOOKUP」とはどういう意味になるのでしょうか?
使い方も含めて確認します。
2-1.VLOOKUP関数のエラー処理をしている
「IF(ISERROR(VLOOKUP」という数式は、「エラー処理」をしています。
言い方を変えると、「VLOOKUP関数がエラーになるかどうかで返す値を変えよう」としているのです。
よく使われるのは「VLOOKUP関数がエラーなら空白を、そうでなければVLOOKUP関数の結果を返す」という風に使われます。
2-2.数式の全体像
VLOOKUP関数をIF関数・ISERROR関数と組み合わせる時の一般的な形は、次の通りです。
ポイントは、次の通りです。
- ① ISERROR関数でVLOOKUP関数のエラーを判定
- ② エラーなら「真の場合」が、そうでなければ「偽の場合」が返る
2-3.「エラーの時は空白」としたい場合
「VLOOKUP関数の結果がエラーの場合には『空白』、そうでなければVLOOKUP関数の結果を返す」という形にしたい場合、数式は次のようになります。
ポイントは、次の通りです。
- ① 2ヶ所ある「VLOOKUP( )」は同じ数式が入る
- ② 「真の場合」に「"」を2つ入れる(「空白」という意味)
3.例で実際の動きを確認
「IF(ISERROR(VLOOKUP」の動きを、例で実際に確認してみましょう。
上の表は、VLOOKUP関数がエラーを起こしているものです。
セルE9に入っている数式は、次の通りです。
【セルE9の数式】
=VLOOKUP($A$9,$A$2:$E$5,5,FALSE)
これに対してIF関数・ISERROR関数と組み合わせると、次のようになります。
【変更後の数式】
=IF(ISERROR(VLOOKUP($A$9,$A$2:$E$5,5,FALSE)),"",VLOOKUP($A$9,$A$2:$E$5,5,FALSE))
まず、VLOOKUP関数の数式は「2つとも同じ」です。
そして、VLOOKUP関数はエラーを起こしているので、結果「空白」となっています。
4.数式の作り方
数式を作るときの手順は、次の通りです。
(1)セルに「IF(ISERROR(」と入力する
(2)VLOOKUP関数の数式を入れる
(3)VLOOKUP関数の数式をコピーする
(4)「),"",」と入力する
(5)VLOOKUP関数の数式を貼り付ける
(6)Enterキーを押す
最後の「)」はEnterキーを押すことで、自動入力されます。
5.もっと簡単な数式がある
実は、ISERROR関数(とIF関数)を使わなくても同じことがもっと簡単にできます。
5-1.数式の形は
VLOOKUP関数のエラー処理ができるもっと簡単数式は、次の通りです。
IFERROR関数は、「カッコ内の数式がエラーの時に返す値を指定できる」関数です。「エラーの場合」に「エラー時に返す値」を指定します。
5-2.エラー時には空白にしたい場合
「エラーの場合」に「""」を入れれば、「IF(ISERROR(VLOOKUP」と同じことができます。
先ほどの例の数式だと、次のようになります。
=IFERROR(VLOOKUP($A$9,$A$2:$E$5,5,FALSE),"")
VLOOKUP関数を2回書く必要がないので、数式が短いです。わかりやすく使いやすいので、こちらを使うことをおすすめします。
以上、参考になれば幸いです。
【口コミ・評判のいいExcel本の紹介】
VLOOKUP関数のその他の記事はこちらです。
- VLOOKUP関数その他の記事はこちら
- ◎基本的な使い方
- ◎「以上/未満」の条件指定の仕方
- ◎〇番台の条件にする方法
- ◎部分一致の条件指定の仕方
- ◎別シートから値を抜き出す方法
- ◎別ブックから値を抜き出す方法
- ◎数式コピーで横方向の値を簡単に取得する方法
- ◎2番目、3番目以降の値を抽出する方法
- ◎#N/Aエラーになる3つの原因と対処方法
- ◎#REF!エラーになる原因と対処方法
- ◎#VALUE!エラーになる原因と対処方法
- ◎空白を0ではなく空白で表示する2つの方法
- ◎「IF(ISERROR(VLOOKUP」の意味と使い方
- ◎IFERROR関数とVLOOKUPの組み合わせ方
- ◎空白でもエラーでも空白で表示する方法
- ◎複数条件にする方法
- ◎セルや範囲を固定しコピーのズレを防ぐ方法
- ◎文字列を条件にする方法
- ◎列番号の意味と指定の仕方