エクセル IF関数の使い方|文字列を返す/計算式を入れる

ここでは、IF関数の基本から応用的な使い方までを、ページを分けて解説します。

 

このページではIF関数の基本として、IF関数とはどんな関数か、その動きと数式の形、作り方を説明します。

 

また、条件式の入れ方や、「真の場合/偽の場合に返す値」へ文字列や計算式を入れる方法も紹介します。

1.IF関数とは?動きを確認

始めにIF関数とはどんな関数か、どのような動きをするのかを見てみましょう。

 

1-1.IF関数とは

IF関数とは「IF(『もしも~』=条件)に合う、合わないで返す値を変える」ことができる関数です。

 

条件に合うか合わないかで表示を変えたい場面は結構あり、例えば次のような時にはIF関数を使います。

  • テストの点数によって「合格」、「不合格」と表示させたい
  • 参照先が空白なら0でなく空白にしたい
  • 期間に含まれていれば〇、そうでなければ×としたい

特に、ゼロを空白にしたいケースはよくあります。その方法は、以下のページで解説しています。

 

⇒ 「計算した結果表示される0をIF関数で空白に変える方法」はこちら

 

1-2.IF関数の動き

では実際に、例を挙げてIF関数の動きを確認してみます。

上の表は、テスト結果を入力したものです。

 

この表をもとに、IF関数を使って「70点以上を『合格』、70点未満を『不合格』」と、合否判定を表示させてみましょう。

結果、IF関数を使うことで、B列の値に応じてC列に「合格」、「不合格」と表示させることができました。

先ほどの例の動きを、図で表してみました。

 

このように、IF関数を使えば「指定した条件」を「満たす(真)」時と「満たさない(偽)」時で表示を変えることができるのです。

2.数式の構文と各引数の意味

次に、IF関数の構文(数式の形)と各引数(指定する項目)の意味を見てみます。

 

2-1.IF関数の構文は

IF関数の構文(数式の形)は、次の通りです。

=IF(論理式,値が真の場合,値が偽の場合)

このようにIF関数は、「論理式(=条件)」と「値が真の場合(=条件に一致した場合に返す値)」、「値が偽の場合(=条件に一致しない場合に返す値)」の3つを指定することで使えます。

 

2-2.各引数の意味

続いて、各引数の意味を例で見てみます。

先ほどの例の場合、セルC5に入る数式は次の通りです。

=IF(B5>=70,"合格","不合格")

=IF(論理式,値が真の場合,値が偽の場合)

「論理式」が「B5>=70」、「真の場合」が「"合格"」、「偽の場合」が「"不合格"」です。

 

つまりこの数式は、「セルB5が70以上」という条件に一致すれば「合格」が、一致しなければ「不合格」が返ってくる(表示される)、という数式ということです。

3.論理式の基本的な作り方

次に、引数「論理式」の作り方を見てみます。

 

条件値に文字列を指定する方法なども、確認します。

 

3-1.「論理式」指定の基本

論理式には「判定したい条件を指定」します。

 

論理式は、基本的に次の順番で入力します。

判定対象 ⇒ 比較演算子 ⇒ 条件値

例えば、

=IF(A1>=70,"〇","×")

という式は、「A1」が判定対象(のセル番号)、「>=」が比較演算子、「70」が条件値です。

 

3-2.「判定対象」にはセル番号か計算式が入る

判定対象には、「判定したいもの」を入力します。

 

主に、次の2つのどちらかで指定します。

ポイント
  • セル番号
  • 計算式

3-2-1.セル番号は「そのまま入れる」

判定対象を「セル番号」にする場合には、そのまま入れます。「そのまま」というのは、「『"』などを付けないでセル番号そのまま」という意味です。

 

例えば、セルA1の値を判定したいのであれば「A1」、Z100の値を判定したいのであれば「Z100」と入れます。

 

3-2-2.計算式は「=以外を入れる」

判定対象を「計算式」にする場合には、「『=』を除いた計算式」を入れます。

 

例えばSUM関数の合計値を判定したい場合には、

=IF(SUM(A1:A10)=条件値,真の場合,偽の場合)

のように、「=」以外の部分を入れます。

 

3-3.「比較演算子」には記号が入る

比較演算子には、次の種類があります。

種類 条件 使用例
= 等しい A1=70
> より大きい A1>70
>= 以上 A1>=70
< より小さい A1<70
<= 以下 A1<=70
<> 等しくない A1<>70

例えば、「A1=70」であれば「セルA1は70か?」、「A1>=70」であれば、「セルA1は70以上か?」という意味になります。

 

3-4.「条件値」にはセル番号か値が入る

条件値の指定パターンは、大きく2つに分かれます。

ポイント
  • セル番号
  • 文字列や数値などの値

セル番号は「そのまま入れればOK」です。

 

そして「文字列や数値などの値」の場合には、値の型(文字列/数値/日付/空白等)によって指定の仕方が異なります。この後詳しく確認します。

4.条件値に文字列や空白などを指定するには

条件値に「値を直接」指定する場合の、「値の型(文字列/数値など)」別の指定の仕方を見てみます。

 

4-1.「文字列」を条件値にする

「文字列」を条件値にする場合には、「文字列を『"』で囲む」ようにします。

例えば上のように、C列が「不合格」の時にはD列に再試験が「必要」と表示させたいとします。

 

この場合、セルD7に入れるIF関数の条件式は、次のようになります。

C7="不合格"

 

「"」で囲まないと、エラーになるので注意しましょう。

 

4-2.「特定の文字列以外」を条件値にする

条件値を「「特定の文字列以外」とする場合には、「比較演算子を『<>』にし、文字列を『"』で囲む」ようにします。これで「特定の文字列以外」という意味になります。

例えば上のように、C列が「合格でない」時には再試験が「必要」と表示させたいとします。

 

この場合、セルD7に入れるIF関数の条件式は、次のようになります。

C7<>"合格"

 

4-3.「空白」を条件値にする

条件値を「空白」にする場合には、「条件値を『""』(『"』を2つ)」にします。

例えば上のように、B列が空白であればC列に「未入力」と表示させたいとします。

 

この場合、セルC5に入れるIF関数の条件式は、次のようになります。

B5=""

 

4-4.「空白以外」を条件値にする

条件値を「空白以外」にする場合には、「比較演算子を『<>』にし、条件値を『""』」にします。

例えば上のように、B列が空白以外であればC列に「入力済」と表示させたいとします。

 

この場合、セルC5に入れるIF関数の条件式は、次のようになります。

B5<>""

 

4-5.「数値」を条件値にする

条件値を「数値」にする場合には、「そのまま入れる」ようにします。

例えば上のように、B列が70以上であればC列に「合格」、そうでなければ「不合格」と表示させたいとします。

 

この場合、セルC5に入れるIF関数の条件式は、次のようになります。

B5>=70

 

数値を「"」で囲んでしまうと、見た目数値でも「文字列の数値」でないと真と判定されないので注意が必要です。

5.真/偽の場合に計算式/文字列を指定する方法

次に、「値が真の場合」と「値が偽の場合」の指定の仕方です。

指定の仕方には共通点が多くあるので、それぞれの基本を押さえた後、共通する点を見ていきます。

 

5-1.「値が真の場合」の指定の仕方

値が真の場合には、「条件を満たす場合に表示させたい値」を指定します。

 

文字列や数値、日付や時刻などを直接指定することができますし、任意のセルを指定することもできます。また、計算式を入れることもできます。

 

5-2.「値が偽の場合」の指定の仕方

値が偽の場合には、「条件を満たさない場合に表示させたい値」を指定します。

 

「真の場合」と同様に、文字列や数値、日付や時刻、セル番号や計算式を入れることができます。

 

5-3.共通したポイント

2つの引数は、「条件を満たす場合」か「満たさない場合」かだけが異なり、指定の仕方は全く同じです。

 

そこで、共通した指定の仕方を確認します。

 

5-3-1.指定の仕方は大きく分けて3パターン

まず、指定の仕方は大きく分けて次の3パターンあります。

ポイント
  • セル番号
  • 文字列や数値などの値
  • 計算式

どれも、これまでに説明した指定の仕方と同じです。

 

セル番号や数値は「そのまま入れ」ます。

 

文字列や日付などは、「"」で囲みます。

 

そして計算式は、「=を抜いて入れ」ます。特に計算式を再度確認しますが、例えば、真の場合に「10×3」の計算式を入れたい時には、次のような形になります。

=IF(A1>=70,10*3,"×")

また、例えば真の場合にVLOOKUP関数を入れたい時にも、やはり「=」を付けない形で入力します。

=IF(A1>=70,VLOOKUP( ),"×")

なお、複雑な計算式をどちらかの引数に入れるとなった場合におすすめなのが、「入れたい計算式がしっかりと動くか、先に適当なセルに入れて確認する」ことです。

 

始めから引数に計算式を入れた場合、エラーが出るとひどい場合には数式が消えてしまいます。

 

そこで、いったんどこか適当なセルにその計算式を入れ、ちゃんと動くことを確認したら、「=」以外を切り取って貼り付けたほうが、早くて確実です。

6.IF関数の使い方

最後に、IF関数を実際に使って「条件への一致/不一致で値を変える」数式を作ってみます。

 

条件は、「70点以上なら『合格』、70点未満なら『不合格』」とします。

 

以下手順です。

 

(1)セルをクリックし、「=IF(」と入力後、「fx」ボタンを押す

 

(2)各引数を入力する

※ 例の引数に入れた値

  論理式:B5>=70

  真の場合:"合格"

  偽の場合:"不合格"

 

(3)OKボタンを押せば完了

例の場合、数式は以下のようになります。

=IF(B5>=70,"合格","不合格")

 

このように、関数の引数ダイアログを使うと、簡単にIF関数を使うことができます。

 

以上参考になれば幸いです。

 

次のページでは、「IF関数で『以上/以下/超える/未満』等の比較演算子を使った条件指定の仕方」を解説します。

⇒ 「IF関数で『以上/以下/超える/未満』等の比較演算子を使った条件指定の仕方」

 

また、IF関数に関連したページもたくさんありますので、以下のリンクから参考にしてください。


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