IF関数をAND(かつ)条件にする方法|2つを満たす・複数
ここでは、エクセルのIF関数を「『2つの条件を満たせば真』などといった複数条件をAND(かつ)」にする方法を解説します。
AND関数を使う方法と、IF関数を重ねる方法の二つの紹介です。
1.まずはやりたいことを確認
まずは、やりたいことを例を含めて確認します。
1-1.IF関数をAND(かつ)条件にしたい
やりたいことは、「IF関数をAND(かつ)条件にする」ことです。
言い方を変えると、「IF関数で2つ以上(複数)の条件の『どれも満たせば』真と判定させたい」ということです。
例えば、「国語70点以上」、「数学70点以上」の2つの条件を両方満たせば合格、などと複数の条件のどちらにも一致しているか判定したい時に使います。
1-2.例で確認
一つ例を見てみます。
上の表は、あるテスト結果の一覧です。
3人の国語、数学、英語の点数が入力されています。
この表をもとに、3教科全てで「70点以上」であれば、合格と判定したいとします。
この場合、条件は「国語で70点以上」、かつ「数学で70点以上」、かつ「英語で70点以上」となります。
つまり、3つの条件の全部を満たせば「合格」ということです。
条件を満たすかどうかで結果を変えたい場合、使う関数は「IF関数」です。
そして、複数ある条件のすべてを満たすかを判定するので、「複数条件をかつ(AND)で指定する」形になります。
2.IF関数をAND(かつ)条件にする方法は2つある
IF関数でAND(かつ)条件にする方法は、2通りあります。
それぞれ見てみます。
2-1.IF関数とAND関数を組み合わせる
一つ目は、「IF関数とAND関数を組み合わせる」方法です。
2-1-1.数式の形は
数式の形は、次のようになります。
AND関数とは「すべての引数が真の時にTRUEを返す」関数です。
AND関数をIF関数の論理式に使うことで、「複数条件をかつで指定」することができます。
メリットは、簡単で分かりやすいことです。ちょっと知っている人なら、数式の意味をすぐに理解できます。
2-1-2.数式の作り方
実際に数式を作ってみます。
例に使う表は、先ほどのものです。
セルE5に、「国語、数学、英語のすべてが70点以上なら『合格』、そうでないなら『不合格』となるIF関数とAND関数の数式」を入れてみます。
以下手順です。
(1)セルに以下の数式をコピーし、貼り付ける
【コピーする数式】
(2)論理式1、論理式2…の文字を消し、それぞれ入力する
(3)真の場合、偽の場合の文字を消し、それぞれ入力後、Enterキーを押せば完了
後は、数式を他のセルにコピーすればOKです。
このように、まずは「AND関数と組み合わせる」方法があります。
2-2.IF関数を重ねる
二つ目は「IF関数を重ねる」方法です。
2-2-1.数式の形は
条件が二つの場合、数式の形は次のようになります。
IF関数の「真の場合」にIF関数を入れることで、「複数ある条件をすべて満たすかを判定」することができます。
論理式2つを満たせば「真の場合」が、論理式1のみは「偽の場合1」が、両方満たさなければ「偽の場合2」が返ってきます。
ちなみに、条件が3つの時には、数式は次の形になります。
メリットは、条件の一致・不一致の組み合わせで返す値を変えられることです。「すべて一致」だけでなく、「論理式1だけに一致」のパターンもフォローすることができます。
2-2-2.数式の作り方
実際に数式を作ってみます。
例に使う表は、先ほどのものです。
セルE5に、「国語、数学、英語のすべてが70点以上なら『合格』、そうでないなら『不合格』となるIF関数を重ねた数式」を入れてみます。
以下手順です。
(1)セルに以下の数式をコピーし、貼り付ける
【条件が2つの場合】
【条件が3つの場合】
(2)論理式1、論理式2…の文字を消し、それぞれ入力する
(3)真の場合、偽の場合の文字を消し、それぞれ入力後、Enterキーを押せば完了
後は、数式を他のセルにコピーすればOKです。
このように、「IF関数を重ねる」方法もあります。
3.「条件値が同じ」ならもっと簡単な方法も
上で紹介した2つの数式は、論理式ごとに条件値を変えられます。
しかし一方で、例の「国語も数学も英語70点以上」のように、「条件値がどれも同じ」であれば、実はもっと簡単な方法があります。
3-1.AND
関数+配列数式にする
IF関数とAND関数を組み合わせて配列数式にすると、もっと簡単に「IF関数をAND条件にする」数式が作れます。
3-1-1.数式の形は
数式の形は、次の通りです。
そして、論理式で「判定したい範囲」を指定するのがまずポイントです。
範囲→比較演算子→条件値
言い換えると、「範囲が条件に一致するか?」という形にします。
なお、「{}」は配列数式であることを意味しています。配列数式とは、計算途中の値を複数もてる数式です。
配列数式への仕方は、この後説明します。
3-1-2.論理式の書き方
例を見ながら、論理式の書き方をもう少し詳しく見てみます。
先ほどの例で、セルE5に数式を入れる場合を見ていきます。
まず論理式は、「セルB5~D5の範囲すべてが70以上か?」という形にします。
そして、範囲には「判定したい範囲」が入りますので、例だと「国語と数学、英語の点数が入ったセル」が該当し、「B5:D5」となります。
後(比較演算子や条件値)の指定の仕方は、これまでと同じです。
ですから、「セルB5~D5の範囲すべてが70以上か?」という論理式は、「B5:D5>=70」となります。
3-1-3.数式の作り方
実際に数式を作ってみます。
例に使う表は、先ほどのものです。
セルE5に、「国語、数学、英語のすべてが70点以上なら『合格』、そうでないなら『不合格』となるIF関数とPRODUCT関数の数式」を入れてみます。
以下手順です。
(1)セルに以下の数式をコピーし、貼り付ける
【コピーする数式】
(2)論理式の文字を消し、「範囲」→「比較演算子」→「条件値」の順に入力する
(3)真の場合、偽の場合の文字を消し、それぞれ入力する
(4)ShiftキーとCtrlキーを押しながらEnterキーを押せば完了
ポイントは、「論理式で範囲を指定する」ことと、「配列数式にする(4)」ことです。
特に配列数式にするには、数式をすべて入力後、ShiftキーとCtrlキーを押しながら、Enterキーを押せばOKです。
数式の両サイドに「{}」が付くと成功です。間違っても「{}」を手入力しないでください。
以上、参考になれば幸いです。
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