IF関数で「一つの条件に複数列全てが一致」を簡単に指定する
ここでは、エクセルのIF関数の論理式で「一つの条件に複数列すべてが一致する」を簡単に書く方法を解説します。
「複数の列に対して条件を指定する」形だと思い浮かぶのがAND関数ですが、これだと数式が長くなって大変です。
そこで、簡単にまとめて範囲指定できる方法をここでは紹介します。
1.まずはやりたいことを確認
まずは、まずはやりたいことを例も含めて確認します。
1-1.やりたいことは?
やりたいことは、「IF関数の論理式を『一つの条件に複数列すべてが一致するか?』の形にする」です。
例えば、次のような状況です。
- 範囲内のセルすべてに「〇」が入っているか?
- 範囲内のセル全部に「済」が入っているか?
つまり、「指定した範囲すべてのセルの値」が「○」や「済」であれば真、一つでも違ければ偽と判定されるということです。
なお、真っ先に思いつくのは「AND関数でセル一つ一つに対して同じ条件にする」方法ですが、これだと数が多くなった場合に手間がすごくかかります。
そのため、もっと簡単にできる方法を紹介します。
1-2.例で確認
一つ例を確認してみましょう。
上の表は、研修受講確認表です。各研修は計3回行われ、受講したものには「●」が入っています。
この表から3回の受講全てを終わったかどうかを知りたいとして、例えばF列に「3回目全てに参加したら『完了』」と表示させてみましょう。
つまり言い換えると「C、D、E列のすべてに●が入っていたらF列に『完了』を表示させる」 ということです。
このような場合に、ここで紹介する数式が使えます。
2.数式の作り方
では、どのようにすると簡単に指定できるか見てみましょう。
2-1.簡単に指定できる数式の形
まず、数式の形は次の通りです。
「範囲」には、判定したい範囲を指定します。
「条件値」には、そのままですが、条件値を指定します。
なお、数式の両端にある「{ }」は、手入力ではありません。一定のキーボード操作で付けます。付け方は、後述します。
先ほどの例でいうと、セルF4に入力する数式は、
{=IF(AND(C4:E4="●"),"完了","")}
となります。
2-2.数式の作り方
では、数式の作り方です。
(1)以下の数式をコピーし、セルに貼り付ける
【コピーする数式】
(2)「範囲」の文字を消し、「判定したい範囲」を入れる
(3)「条件値」の文字を消し、「条件」を入れる
(4)「真の場合」、「偽の場合」の文字を消し、それぞれ入れる
(5)『Shift』キーと『Ctrl』キーを押しながら『Enter』キーを押せば完了
ポイントは、(5)です。
(5)の操作をすることで「配列数式」になり、「{ }」が付きます。反対に行わないと「#VALUE!エラー」になるので注意しましょう。
これで「複数列すべてと一致」という条件を簡単に指定することができ、列の数がもっと増えても大丈夫です。
以上、参考になれば幸いです。
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