COUNTIF関数で「以上」「以下」にする方法|セル参照など
ここでは、エクセルの「COUNTIF関数で『以上』や『以下』の条件にする方法」を解説します。
比較演算子を使った数式の形や、条件値をセル参照にする方法などの説明です。
1.数式の形が変わるポイント
まずは、COUNTIF関数で「以上」や「以下」、「超え」や「未満」の条件にする時の、「数式の形が変わるポイント」から確認します。
「以上」や「以下」などを指定する時の「数式の形」は2種類に分かれ、形は「条件値の指定の仕方」で変わります。
1-1.条件値を「セル参照」で指定する
一つは、「条件値をセル参照にする」ケースです。
「条件値をセル参照にする」とは、「値を入れたセルを条件値にする」ことです。
上の例では、セルB2からB4の範囲で「70点以上」をカウントしていますが、条件値は「セルD2」としています(青矢印のところ)。
このように、「セルの値を数式の計算に使う形」を「セル参照」といいます。
1-2.条件値を「数式に入れて指定」する
二つ目は、「条件値を数式に入れる」ケースです。
「条件値を数式に入れる」とは、そのままですが「条件値を数式の中に入れる」ことです。
上の例では、先ほどと同じようにセルB2からB4の範囲で「70点以上」をカウントしていますが、条件値は「数式の中」に入れています(赤矢印のところ)。
この形だと、セル参照の場合とは数式の形が違ってきます。
2.それぞれの数式の形
次に、条件値を「セル参照」と「数式に入れる」場合の、それぞれの数式の形を確認します。
2-1.「セル参照」の場合の数式の形
COUNTIF関数で「以上」、「以下」などの条件値を「セル参照」にする場合、数式の形は次の通りです。
指定するのは、「範囲」と「比較演算子」、「セル番号」の3つです。
それぞれ次のように指定します。
- 範囲:カウントしたい範囲([例]A1:A6)
- 比較演算子:記号([例]>=)※詳細は後述
- セル番号:条件値の入ったセル番号([例]B1)
上の例の場合、数式は次のようになります。
=COUNTIF(B2:B5,">="&D2)
2-2.「数式に入れる」の場合の数式の形
COUNTIF関数で「以上」、「以下」などの条件値を「数式に入れる」場合、数式の形は次の通りです。
指定するのは、「範囲」と「比較演算子」、「条件値」の3つです。
それぞれ次のように指定します。
- 範囲:カウントしたい範囲([例]A1:A6)
- 比較演算子:記号([例]>=)※詳細は後述
- 条件値:条件値となる数値や日付、時刻([例]100)
例の場合、数式は次のようになります。
=COUNTIF(B2:B5,">=70")
3.比較演算子の種類と入力時の注意点
次に、比較演算子についてみていきます。
3-1.比較演算子の種類
比較演算子は全部で5種類あり、次の通りです。
演算子 | 意味 | 条件値を含むか? |
>= | 以上 | 含む |
> | 超える | 含まない |
<= | 以下 | 含む |
< | 未満 | 含まない |
<> | 等しくない(以外) | (条件値以外) |
「=」を付けると「条件値を含む」、付けないと「条件値を含まない」形になります。
なお、「<>」は以上や以下とは別の話になりますが、一応紹介しておきます。
3-2.比較演算子の種類
先ほど一度見ましたが、比較演算子を使った数式の例をもう一度見てみます。
例の場合、数式は次のようになります。
=COUNTIF(B2:B5,">="&D2)
この数式は、比較演算子に「>=」を使っていて条件値は「70」なので、「70以上をカウントしている」ことが分かります。
ちなみに「70未満」だと、次のようになります。
数式は次のようになります。
=COUNTIF(B2:B5,"<"&D2)
このように、どういう条件にするかによって比較演算子を選びます。
3-3.全角で入れると「うまくいかない」、「0になる」ことに注意
比較演算子を入力する際の注意点は、次の通りです。
- 必ず「半角」で入れること
比較演算子は、全角で入れると正しく数えてくれません。
上の例は、「<=」を全角で入れたものです。
結果「0」となり、半角の場合と違って正しくカウントされていないことがわかります。
このように、比較演算子は必ず「半角で入れる」ようにしてください。
4.「セル参照」の場合の数式の作り方
続いて、「セル参照」の場合の数式の作り方を見てみます。
例には先ほどの表を使い、セルB2からB4で「70点以上」をカウントしてみます。
以下手順です。
(1)以下の数式をコピーし、セルに貼り付ける
【コピーする数式】
(2)「範囲」の文字を消し、「カウントしたい範囲」を入れる
(3)「比較演算子」の文字を消し、「適当な比較演算子」を入れる
(4)「セル番号」の文字を消し、「条件値の入ったセル番号」を入れる
(5)Enterキーを押せば完了
繰り返しますが、例の場合、数式は次のようになります。
=COUNTIF(B2:B5,">="&D2)
5.「条件値を数式に入れる」場合の数式の作り方
最後に、「条件値を数式に入れる」場合の数式の作り方を見てみます。
例には先ほどの表を使い、セルB2からB4で「70点以上」をカウントしてみます。
以下手順です。
(1)以下の数式をコピーし、セルに貼り付ける
【コピーする数式】
(2)「範囲」の文字を消し、「カウントしたい範囲」を入れる
(3)「比較演算子」の文字を消し、「適当な比較演算子」を入れる
(4)「条件値」の文字を消し、「条件になる数値」を入れる
(5)Enterキーを押せば完了
例の場合、数式は次のようになります。
=COUNTIF(B2:B5,">=70")
6.条件値を「日付」や「時刻」にするには
次に、「〇月〇日以降」などの条件値を日付にする場合を見てみます。
結論から言うと、「数値の場合と変わらない」です。ただ、日付の場合には「2022/4/1」などのように「/」を用いるのが無難です。書き方によっては日付として認識してくれないからです。
また、上の例のように「年を省略」した場合には、自動で「当年」と認識されます。
数式を入れたのが2022年であれば2022年、1901年であれば1901年という具合です。
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7.数式は慣れてきたら「手入力」する
数式は、慣れてきたら手入力するようにしましょう。
手入力とは、「数式の形をコピーせずにすべて手で打つこと」です。
例えば、セル参照の場合は上のような形でした。
「=COUNTIF(」から始まり、範囲→「"」→比較演算子…といった具合に打っていきます。
数式の形に間違いがなければちゃんと値が返ってくれ、数式を作るスピードも上がります。
以上、参考になれば幸いです。
次のページではカウント結果を別のシートに表示させる方法を解説します。
COUNTIF関数に関連したページは、次の通りです。
- COUNTIF関数 使いこなすためのポイントはこちら