#DIV/0!等のエラー無視|SUM関数で計算・合計する方法
ここでは、#DIV/0!をはじめとしたエラーを無視してSUM関数で計算し、合計を求める方法を解説します。
数式は2パターン紹介しますが、基本的に1つ覚えればOKです。
1.SUM関数でエラーを無視するとは
始めに、SUM関数でエラーを無視して合計するとはどのようなことかから確認します。
1-1.SUM関数はエラーに弱い
SUM関数は、指定した範囲の中に一つでもエラーがあるとエラーになります。
もちろんエラーがあること自体に問題があるのですが、「エラーがあっても合計してくれたらいいのに」と思ってしまう場面もあり、困ってしまう点です。
1-2.例を確認
一つ例を見てみましょう。
上の表は「売上管理表」です。
セルD8に、SUM関数で「4月から6月までの4店の売り上げの合計」を求めようとしています。
しかし、結果は#N/Aエラーになっています。これは、合計を求めたい範囲内に#N/Aエラーがあるためです。
しかし、エラーがあっても合計を表示させたいことがあります。
そこでここでは、エラーを無視して合計を求めることのできる数式を紹介します。
2.IFERROR関数を使う方法
まずは、SUM関数と「IFERROR関数」を組み合わせた数式からです。
2-1.数式の形
数式の形は、次の通りです。
「範囲」に合計したい範囲を入れます。なお、「{ }」は手入力ではなく一定のキー操作で付けます。
手順はこの後説明します。
2-2.数式の作り方
では実際に、IFERROR関数を使って「エラーを無視して合計できる数式」を作ってみましょう。
先ほどの表の、セルB4からD7までの合計を求めてみます。
以下、手順です。
(1)数式バーに「=SUM(」と入力後、fxボタンを押す
(2)SUM関数の引数ダイアログに「IFERROR(合計したい範囲,0)」を入力する
※例では「合計したい範囲」に「B4:D7」を指定
(3)「Ctrl」と「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを押せば完了
※ この操作で「配列数式」になります
これで「エラーを無視して合計する」ことができます。
2-2.数式のポイントは?
数式のポイントは、2つあります。
- IFERROR関数のカッコ内で「合計したい範囲」を指定すること
- 「ShiftキーとCtrlキーを押しながらEnterキーを押す」ことで配列数式にすること
配列数式については、この後解説します。
3.「IF関数+ISERROR関数」を使う方法
次に、IF関数とISERROR関数を使う方法もあります。
3-1.数式の形
数式の形は、次の通りです。
2か所の「範囲」に合計したい範囲を入れます。なお、「{ }」は手入力ではなく一定のキー操作で付けます。
手順はこの後説明します。
3-2.数式の作り方
では実際に、IF関数とISERROR関数を使って「エラーを無視して合計できる数式」を作ってみましょう。
先ほどの表の、セルB4からD7までの合計を求めてみます。
以下手順です。
(1)数式バーに「=SUM(」と入力後、fxボタンを押す
(2)SUM関数の引数ダイアログに「IF(ISERROR(合計したい範囲),0,合計したい範囲)」を入力する
※例では「合計したい範囲」に「B4:D7」を指定
(3)「Ctrl」と「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを押せば完了
※ この操作で「配列数式」になります
これで「エラーを除いて合計する」ことができます。
3-3.数式のポイントは?
数式のポイントは、3つあります。
- ISERROR関数のカッコ内で「合計したい範囲」を指定すること
- IF関数のカッコ内にISERROR関数を入れ、「真の場合」に「0」、「偽の場合」に「合計したい範囲」を指定すること
- 「ShiftキーとCtrlキーを押しながらEnterキーを押す」ことで配列数式にすること
配列数式については、この後解説します。
4.配列数式とは
「配列数式」とは「複数セルの計算結果を一時的に保持できる数式」のことです。
分かりやすいよう、一つ例を見てみましょう。
例えば、上の表から「仕入値の合計」を求めたいとします。
仕入値の合計は、2~4行目までの「B列×C列」の和になります。
そこで簡単な方法としては、「B列×C列」の結果を一旦D列に「個別の仕入値」として計算し、それを合計(SUM)する、というやり方があります。
しかしこれでは計算用の列が必要になってしまいます。
これに対して計算列を必要としない「配列数式を用いる」方法があります。
「各B列×C列の乗算」から「合計」までをまとめて行ってくれるのです。
配列数式を用いた数式には「{}」が付き、これは数式入力後に「Ctrl」+「Shift」+「Enter」キーを押すことで付けることができます。
配列数式にした数式は、
{=SUM((B2:B4)*(C2:C4))}
となります。
通常、
=SUM((B2:B4)*(C2:C4))
という数式を入力すると計算結果は「B2*C2」の値のみが表示されます。
しかし、配列数式にすることで「各行のB列×C列の結果」が一時的に保持され、その後SUM関数でこれらの合計を求めることができるようになります。
このように、「複数セルの計算結果を一時的に保持できる数式」が配列数式です。
5.使い分けの判断基準は
最後に、紹介した2つの方法の「使い分けの判断基準」についてです。
数式が短くて分かりやすいので、基本的に「IFERROR関数」を使うようにしましょう。
ただ、もう一つIF関数+ISERROR関数という方法もあるということは、一応覚えておくと、後でなにかの役に立つかもしれません。
以上参考になれば幸いです。
【口コミ・評判のいいExcel本の紹介】
SUM関数に関連したページは、次の通りです。。
- SUM関数 使いこなすためのポイントはこちら