エクセルでの引き算の仕方|できない原因とSUM関数の活用

ここでは、エクセルでの「引き算の仕方」を解説します。

 

基本的な方法とエラーになってできない原因、SUM関数の活用方法の説明です。

1.引き算の基本

まずは、エクセルで引き算をする基本的なやり方からです。

 

1-1.数式の形は

引き算をする場合、数式の形は次のようになります。

=値1-値2

値1や値2には、「『数値』または『セル番号』」が入ります。

 

例えば、数式は次のようになります。

  • 数値の場合:=5-3
  • セル番号の場合:=B1-C1
  • 混合の場合:=B1-5

 

なお、引く値を増やすことももちろんできます。

=値1-値2-値3

 

まとめると、エクセルでの引き算のポイントは次の通りです。

ポイント
  • 最初に「=」を入れる
  • 各値の間に「-」を使う
  • 値1や値2には「数値」か「セル番号」を入れる

1-2.数式の作り方を例で確認

数式の作り方をそれぞれ見てみましょう。

 

(1)数値の場合

数値の場合には、「セルに『=数値1-数値2』と入れ」ます。

 

例えば、セルA1に「5から3を引いた値」を求める場合には、上のように「=5-3」と入れてEnterキーを押します。

すると、5から3が引き算された結果の「2」が返ってきます。

 

(2)セル番号の場合

セル番号の場合には、「セルに『=数値1のセル番号-数値2のセル番号』と入れ」ます。

 

例えば、セルA1に「B1からC1を引いた値」を求める場合には、上のように「=B1-C1」と入れてEnterキーを押します。

すると、セルB1からセルC1が引き算された結果の「2」が返ってきます。

 

ちなみにセル番号を入れるには、「B1」と手入力する方法の他に「セルをクリックする」方法もあります。

 

1-3.エクセルで引き算するための関数は?

エクセルでは、「引き算(減算)するための関数がありません」

 

Pythonなどでは「SUBTRACT関数」という、引き算用の関数があります。この関数は、「始めの値」から「後の値」を引くという動きをします。

 

一方でエクセルは、「SUM関数」を使います。

引きたい数値をマイナス(負)の値にするのです。詳しい方法はこの後解説しますが、「エクセルには引き算の関数はない」ということは押さえておきましょう。

2.引き算の便利技

次に、引き算に関係する便利技を見てみます。

 

2-1.作った数式をコピーして使う

似たような数式をたくさん作る必要がある場合、「数式をコピーして使う」と時短になって楽です。

 

一つ例を見てみましょう。

上の表で、C列に「A-B」の結果を表示させたいとします。

 

この時、セルC2~C5の4つのセルに引き算の数式を「すべて手入力」入れる方法もありますが、もう一つ「セルC2で作った数式を他のセルにコピーする」方法もあります。

 

以下、数式コピーの手順です。

 

(1)セルC2に「=A2-B2」という数式を入れ、Enterキーを押す

 

(2)セルC2の右下にカーソルを当てる

 

(3)カーソルが「+」マークになったら下に左ドラッグして離せば完了

左ドラッグとは、「マウスの左クリックを押したままカーソルを移動させる」ことを言います。

 

これだけで、各行の「A-B」を求めることができます。

 

なお、この方法はエクセルの「相対参照」を利用したものです。

 

相対参照とは、「数式をコピーした時、貼り付け先の位置に応じて式内の参照先も移動する」機能のことです。

例えば、セルC2に入れた数式は「=A2-B2」でした。

 

しかし、この数式をセルC3にコピーすると…

「=A3-B3」と、それぞれ一行下にズレているのが分かります。これは、「セルC2からC3へと『一行下にコピーしたから』」です。

 

このように、相対参照を利用するとたくさんの数式を簡単に作ることができるのです。

 

2-2.コピーしても参照先が変わらないようにする

反対に、「数式をコピーしても式内の参照先が動かないようにする」こともできます。

 

一つ例を見てみましょう。

上の表で、E列に「A-C」の結果を表示させたいとします。

 

この時、先ほどの「セルE2で作った数式を他のセルにコピーする」方法をそのまま使うと「C列の参照先」が動いてしまいます。

 

そこで、C列のセルだけ動かないように固定化します。

 

以下手順です。

 

(1)セルE2に「=A2-C2」という数式を入れる

 

(2)F4キーを1回押し、Enterキーを押す

 

(3)セルE2の右下にカーソルを当て、カーソルが「+」マークになったら下に左ドラッグして離せば完了

これで、各行の「A-C」を求めることができます。

 

セルの固定化は、「絶対参照」とも呼ばれます。

セルE2の数式は、

=A2-$C$2

と、「$」が付いています。

 

この状態でセルE3に数式をコピーすると…

セルE3の数式は、

=A3-$C$2

と、C4列だけ動かない形でコピーされます。

 

このように、ケースによっては絶対参照も使うと便利です。

3.引き算ができない?エラーが出る理由

次に、引き算ができない、エラーが出るといった場合の原因と対処法です。

 

3-1.引き算が#NAME?エラーになる場合

引き算が#NAME?エラーになる場合、原因は「正しくないセル番号を入力している」ことが考えられます。

 

一つ例を見てみましょう。

セルC2に、「A2-B2」の結果を表示させたいとします。

 

ですが…

#NAME?エラーになりました。

 

数式をよく見てみると、少しおかしいのに気づきます。

「B」と「2」の間に「.」が入っています。つまり、セル番号を正しく指定できていないのです。

 

このように、引き算で#NAME?エラーが起こった時には「セル番号を正しく入力しているか?」を確認しましょう。

 

3-2.引き算が#VALUE!エラーになる場合

引き算が#VALUE!エラーになる場合、原因は「『数値』に文字列がある」ことが考えられます。

 

一つ例を見てみましょう。

セルC2に、「A2-B2」の結果を表示させたいとします。

 

ですが…

#VALUE!エラーになりました。

 

原因は、セルB2の「100-10」です。

頭に「'」が付いているのが分かります。頭に「'」が付くのは、その値が「文字列」として扱われていることを表しています。

 

つまり、「=」を付けずに引き算をしようとしてもその値は「文字列」と認識され、次の計算が正しくされなくなってしまうのです。

 

このように、引き算で#VALUE!エラーが出る時には、「文字列が含まれていないか?」を確認してください。

4.SUM関数で合計した値と引き算する

続いて、SUM関数で合計した値と引き算する方法です。

 

ある値から合計した値を引くパターンと、合計した値からある値を引くパターンのそれぞれを見てみましょう。

 

4-1.合計した値を引く

始めに「ある値からSUM関数で合計した値を引くパターン」からです。

 

一つ例を挙げてみます。

上の表は、ある商品の「出庫管理表」です。

 

期首の在庫数と各月出庫された数値が記載されています。

 

この表をもとに、6月末時点での残を知りたい時、計算式は、

=期首在庫数-(4月出庫数+5月出庫数+6月出庫数)

となります。

※ 途中で追加された個数は考えないものとする

 

このような場合、4~6月の出庫数の合計を求めるにはSUM関数が使えます。

 

SUM関数でこの範囲を合計するには、

=SUM(C4:E4)

と書きます。ちなみに、かっこの中に合計したい範囲を「:」でつないで書くのがポイントです。

⇒ SUM関数の基本的な使い方はこちら

 

そして、先ほどの計算式をSUM関数に置き換えると数式は、

=B4-SUM(C4:E4)

または、

=100-SUM(C4:E4)

となります。

これで、ある値からSUM関数で合計した値を引き算することができました。

 

4-2.合計した値から引く

次に、「合計した値からある値を引く」パターンです。

 

結論から言うと、さっきと逆にすればいいです。

 

計算式は、次の通りです。

=SUM関数で求めた合計値-引きたい値

 

数式にすると、

=SUM(C4:E4)-B4

または、

=SUM(C4:E4)-100

といった形になるということです。

5.SUM関数の中で引き算したい

次に、「SUM関数の中で引き算をする方法」を見てみましょう。

 

結論から言うと、やり方は「引きたい値をマイナスで入力する」です。

上の表は、純利益管理表です。月ごとの純利益が入力されています。

 

表を見ると、4月と6月は純利益がプラスでしたが、5月はマイナスでした。

 

この表をもとに「4~6月の純利益の合計」を出したい時、単純にSUM関数でその範囲を指定すれば、5月分はマイナスで計算されます。

ちなみに、値をマイナスにするには数値の頭に「-」を付けます。

 

このようにSUM関数の中で引き算したい時には、その値をマイナスで入力すればOKです。


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6.SUM関数で正しく計算されない原因は?

最後に、SUM関数がエラーになる、正しく計算されない原因と対処法です。

 

6-1.SUM関数の範囲内でエラーがある

SUM関数で合計する範囲にエラーがあると、計算がうまくいきません。

この場合には、範囲内のエラーを解消すればOKです。

ちなみに、範囲内にエラーがあった場合でもエラーを返さず合計できる方法もあります。

 

次のページで解説していますので、参考にしてください。

⇒ 「SUM関数でエラーを除いて合計する方法」へはこちら

 

6-2.数値が文字列になっている

数値が文字列になっていると、その値は計算に含まれないため、正しい結果が返ってきません。

数値に「'」が付いていると文字列になります。

 

また、システムから吐き出した値も文字列になっている場合があります。

 

「'」を消す、VALUE関数などで数値にするなどで、数値を文字列から数値に変換しましょう。

 

 

以上、参考になれば幸いです。

 

次のページでは「SUM関数で複数範囲を合計する方法」について解説します。

⇒「SUM関数で複数範囲を合計する方法」はこちら

 

その他SUM関数の関連ページもありますので参考にしてください。

 

SUM関数に関連したページは、次の通りです。。

  • SUM関数 使いこなすためのポイントはこちら
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