SUM関数で範囲内を合計する使い方|フィルターでの注意点

ここでは、エクセルのSUM関数で範囲内を合計する使い方を、ページを分けて解説します。

 

まずこのページでは、SUM関数とはどのような関数か、数式の作り方とオートSUMの使い方、フィルターとの併用時の注意点などを解説します。

1.SUM関数とは?足し算との違い

始めに、SUM関数とはどのような関数かからです。足し算との違いも含めてみてみます。

 

1-1.SUM関数ってどんな関数?

SUM関数は「指定した範囲の数値を合計できる」関数で、よく使われるとても便利な関数です。

 

では一つ、SUM関数を使った例を見てみましょう。

上の表は、各支店の売り上げ管理表です。A~D店の4~6月の売り上げが入力されています。

 

この表から、4月の4店の売り上げの合計を求める時、使えるのがSUM関数です。

 

合計したい範囲(セルB4~B7)を指定するだけで結果がが表示され、とても便利です。

 

1-2.足し算との違いとSUM関数のメリット

SUM関数と足し算の違いは「簡単さ」です。

 

合計を求めたい範囲が広ければ広いほど、SUM関数を使った方が簡単です。

 

先ほどの例でいうと、足し算の場合数式は、

=B4+B5+B6+B7

となります。

 

一方SUM関数の場合は、

=SUM(B4:B7)

です。

 

これが100行、1000行となった場合、「+」で計算するのはとても時間がかかるのです。

 

SUM関数に慣れるためにも、範囲で合計を求める時にはSUM関数を積極的に使うようにしましょう。

 

1-3.足し算を使うケースは

反対に、足し算で済ませたいケースは「セルが飛び飛び」の場合です。

 

例えば、セルA1とC3、D5の合計を求めるといった場合には、SUM関数を使うメリットがありません。

 

このようなケースでは、「+」で合計を求めることになります。

2.SUM関数の使い方

続いて、SUM関数の使い方です。

 

数式の書き方を確認します。

 

2-1.SUM関数の形(構文)

まず、SUM関数の形(構文と言います)は次の通りです。

=SUM(数値1,数値2…)
項目名 指定する内容 指定の例
① 数値1 合計を求めたい範囲1つ目を指定 B4:B7
② 数値2 合計を求めたい範囲2つ目を指定 C2:C100

これだけ見ると難しく感じますが、要は「カッコ内で範囲を指定する」だけでOKです。

 

2-2.SUM関数を使ってみる

実際に、SUM関数を使って「範囲内の合計」を求めてみましょう。

 

(1)結果を表示させたいセルに「=SUM(」と入力する

 

(2)合計を求める範囲を左ドラッグで選択する

 

(3)OKボタンを押せば完了

これだけで、範囲の合計を求めることができます。

 

ちなみに、範囲の指定は手入力で「B4:B7」としてもOKです。

 

また、範囲が2つ以上ある場合には、構文にあるように「,」を間に入れて指定します。

 

例えば、

=SUM(B4:B7,D4:D7)

といった形です。

 

いずれにしても、簡単ですね。

3.ボタン一つで合計!オートSUMの使い方

SUM関数は、専用のショートカットが用意されています。

 

それが「ホーム」タブ内にある「オートSUM」ボタンです。

合計を表示させたいセル上でこのボタンを押すと、自動で範囲を検出しSUM関数をセットしてくれるため、とても便利です。

 

ちなみに、自動で検出してくれる範囲についてですが、オートSUMボタンを押したときに選択していたセルの上または左のセルに数値が連続で入っていると、その範囲が自動で選択されます。

 

そして、上にも左にも数値が連続して入っていると「上が優先」されます。

範囲を間違って指定しないためにも、入力された範囲は必ず確認するようにしましょう。

4.SUM関数の注意点

SUM関数には、使う上で一つ注意しなければならないことがあります。

 

それは「オートフィルタと併用すると見た目と合計値が一致しなくなる」ことです。

 

一つ例を見てみましょう。

上の表は、オートフィルター機能を使っていない状態です。

 

数式は、

=SUM(E4:E7)

です。

 

そして、4店舗の売り上げの合計は「2,567」となっています。

そしてこれが、オートフィルターで「A店とB店のみ」にした場合です。

 

2点のみに絞ったのに、合計は「2,567」で変わっていませんね。しかし表示上はもっと少ないのが分かります。

 

このように、SUM関数は非表示のセルも合計してしまうのです。


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5.SUBTOTAL関数を使えば問題解決

オートフィルタ機能を使いながら合計を見た目と合わせたい場合には、ちょっと難しくなりますが、SUM関数ではなく「SUBTOTAL関数」を使いましょう。

 

5-1.SUBTOTAL関数とは

SUBTOTAL関数は、この関数一つで平均や最大値、最小値から合計まで様々なことができる関数です。

 

関数の構文は、次の通りです。

=SUBTOTAL(集計方法,参照1,参照2…)

SUBTOTAL関数は、集計方法と範囲(参照)を指定することで合計を求めることができます。

 

そして、合計を求める場合、集計方法は「9」と入れます。

 

5-2.SUM関数とSUBTOTAL関数の数式を比較

次に、SUM関数とSUBTOTAL関数の数式の比較をしてみます。

 

例えばSUM関数の数式が、

=SUM(E4:E7)

だった場合、SUMBTOTAL関数で同じことをしようとすると、数式は、

=SUBTOTAL(9,E4:E7)

となります。

 

SUMBTOTAL関数の場合、範囲の前に「9」が入ると覚えるとよいでしょう。

5-3.SUBTOTAL関数を使ってみる

実際にオートフィルタ機能と併用した場合の、SUBTOTAL関数の動きを見てみましょう。

先ほどの表のセルE9の数式を、SUM関数からSUBTOTAL関数に変えてみました。

 

次に、フィルタをかけてみましょう。

確かに非表示分が除外されて、見た目上の合計値と一致しているのが分かります。

 

このように、オートフィルタ機能と併用するのであればSUM関数ではなくSUBTOTAL関数がおすすめです。

 

以上、参考になれば幸いです。

 

次のページでは「エクセルのSUM関数を使って引き算をするいくつかの方法」について解説します。

⇒「エクセルのSUM関数を使って引き算をするいくつかの方法」はこちら

 

その他SUM関数の関連ページもありますので参考にしてください。

 

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