エクセルで一致したら(同じ値があれば)値を返す数式を作る
ここでは、エクセルで「一致したら(同じ値があれば)値を返す数式」を紹介します。
なお、「一致したら〇」の指定の仕方にも触れます。
利用頻度が高い便利な関数なので、ぜひ覚えておきましょう。
1.「一致する、しないで値を変える」はIF関数
数式で「一致(同じ値)する、しないで値を変える」のであれば、使うのは「IF関数」です。
そこで、始めにIF関数とはどのような関数か、動きと使い方をまずは見てみましょう。
1-1.IF関数とは?
IF関数とは「論理式の結果(真偽)に応じて指定した値を返す」ことができる関数です。
IF関数の形は次の通りです。
IF関数を使うのに指定が必要なのは、「判定したい条件(=論理式)」、「値が真の場合(に表示する値)」、「値が偽の場合(に表示する値)」の3つです。
ちなみに、論理式などの各項目は、エクセル関数では「引数(ひきすう)」と呼ばれます。
そして、引数ごとに「どんなことを指定するのか(指定する内容)」、「どのように指定するのか(指定の仕方)」をまとめたのが次の表です。
引数 | 指定する内容 | 指定の仕方の例 |
① 論理式 |
判定したい条件を数式で指定 | B8="日" |
② 真の場合 | 条件が真の場合の値を指定 | "休日" |
③ 偽の場合 | 条件が偽の場合の値を指定 | ""(←「空白」の意) |
引数はこの後詳しく説明するので、この表はまずは「こんなもんなんだ」くらいで見てください。
1-2.IF関数の動きを確認
ひとつ例を見てみましょう。
上の表には、1週間の曜日が並んでいます。
例えば日曜日には休日、その他の曜日には空白とB列に表示させたい場合、IF関数を使うと次のようになります。
セルB2からB8までにIF関数を入れましたが、「休日」と表示されたのは「セルB8」だけです。
なお、セルBの数式は次の通りです。
=IF(A8="日","休日","")
各引数は、次のように指定しています。
- 論理式 → セルA8が『日』なら…
- 値が真の場合 → 休日
- 値が偽の場合 → ""(空白という意味)
結果セルA8は「日」なので、セルB8には「値が真の場合」で指定した「休日」が表示されます。
2.各引数の指定の仕方
次に、IF関数の引数の指定の仕方を見てみます。
2-1.「論理式」には「判定したい条件」を入れる
まず、引数「論理式」には判定したい条件を入れます。
論理式は、次の形で書きます。
判定対象 → 比較演算子 → 条件値
上だけ見ると難しそうですが、実はそうでもないです。先ほどの例だと、論理式は次の形でした。
A8="日"
判定対象が「A8」、比較演算子が「=」、「条件値」が「"日"」です。これで、「A8の値は『日』か?」という意味になります。
ちなみに、それぞれでよく使われるのが次の形です。
- 判定対象 → 「セル番号」か「数式」
- 比較演算子 → 「=」(他には<,>,<=,>=,<>)
- 条件値 → 「数値」/「セル番号」/「文字列」/「日付」/「時刻」(数値やセル番号はそのまま、文字列や日付、時刻は「"」で囲む)
- セル番号の場合:A1=B10
- 数値の場合:A1=10
- 文字列の場合:A1="日"
- 日付の場合:A1="2022/4/1"
- 時刻の場合:A1="9:00"
2-2.「値が真の場合」には「条件に合った時に返す値」を入れる
引数「値が真の場合」には、条件に一致(真となった)した場合に返す値を指定します。
先ほどの例だと、「"休日"」の部分です。
書き方には、次のルールがあります。
- 文字列や日付、数値やセル番号の場合の入れ方は「条件値」と同じ
- 空白の場合には「""」と書く
- 数式を入れることも可能
- 文字色やセル色の指定はできない
2-2.「値が偽の場合」には「条件に合わない時に返す値」を入れる
引数「値が偽の場合」には、条件の結果が不一致(偽)の場合に返す値を指定します。
先ほどの例だと、「""」の部分です。
なお、書き方のルールは、値が真の場合と同じです。
3.IF関数を使った数式を書いてみる
では先ほどの表を使って、IF関数で日曜日だけ「休日」と表示させてみましょう。
ちなみに、数式はセルB2に入れてみます。
(1)セルの数式バーに半角で「=IF(」と入れる
(2)fxボタンを押す
(3)各引数を入力する
※ 各引数の入れ方は前項を参考のこと
(4)OKを押せば完了
結果、数式は次のようになります。
=IF(A2="日","休日","")
途中「=」や「IF(」は、もし全角で入力してもOKを押したタイミングで半角に変換されますが、半角での入力に慣れておいた方がいいでしょう。
また、終わりかっこ「)」もEnterを押すタイミングで自動で付加されます。
4.「一致したら〇」としたい場合は
最後に、「一致したら(同じなら)〇」としたい場合です。
3-1.「一致したら〇」の数式の形
まず、「あるセルとあるセルの値が一致したら〇」としたい場合、数式の形は次のようになります。
ポイントは次の通りです。
- 「判定したいセルの番号」を「判定対象」に入れる
- 「条件値」の入れ方は前述の通り
- 「値が真の場合」を「"〇"」とする
あとは、「値が偽の場合」を任意で入れます。
3-2.「一致しなければ×」の数式の形
さらに、「一致しなければ×」としたい場合には、数式の形は次のようになります。
ポイントは次の通りです。
- 「値が偽の場合」を「"×"」とする
これで、判定対象のセルが条件値と一致すれば〇、一致しなければ×となります。
3-3.特定の範囲の中に条件値があれば〇としたい場合
「『特定の範囲』の中に条件値に一致するものがあれば〇、なければ×」としたい場合、数式の形は次のようになります。
例えば、セルA1からA5に「定規」があるかを判定したい場合、数式は次の通りです。
=IF(COUNTIF(A1:A5,"定規"),"〇","×")
これで、範囲の中に条件値があれば〇、なければ×となります。
以上、参考になれば幸いです。
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