エクセル関数で「もし◯◯なら◯◯」を複数指定する方法

ここでは、エクセルで「もし〇〇なら◯◯」を複数簡単に指定できる関数を紹介します。 

 

利用頻度が高い便利な関数なので、ぜひ覚えておきましょう。

 

なお、「一致したら〇」とする方法は、次のページで解説しています。

⇒「エクセルで一致したら(同じ値があれば)値を返す数式を作る」はこちら

1.「もし〇〇なら〇〇」を複数はIFS関数

エクセルで「もし〇〇なら」の形を複数にしたいのであれば、「IFS関数」が便利です。

 

ではIFS関数とはどのような関数か、その動きと使い方をまずは見てみましょう。

 

1-1.IFS関数とは?

IFS関数とは「条件が満たされるかを順に確認し、最初の真条件に対応する値を返す」関数です。

 

IFS関数の形は次の通りです。

=IFS(論理式1,値が真の場合1,論理式2,値が真の場合2,…)

このように、IFS関数では「判定したい条件(=論理式)」と「判定結果が真の場合に表示する値(=値が真の場合)」が2つで1セット、最低2セット必要です。

 

ちなみに、論理式1などの各項目は「引数(ひきすう)」と呼ばれます。

 

引数ごとに「どんなことを指定するのか(指定する内容)」、「どのように指定するのか(指定の仕方)」をまとめたのが次の表です。

引数 指定する内容 指定の仕方の例

論理式1

判定したい1つ目の条件を数式で指定 B2>=60
真の場合1 論理式1が真の場合の値を指定 "合格"
論理式2 判定したい2つ目の条件を数式で指定 TRUE
真の場合2 論理式2が真の場合の値を指定 "不合格"

引数の指定の仕方はこの後詳しく説明するので、表は「こんな感じなんだ」くらいでいいです。

 

1-2.動きを例で確認

ひとつ例を見てみましょう。

上の表は、4人の国語のテスト結果です。

 

例えばテスト結果と判定基準をもとに、C列に判定結果を表示させたい場合、IFS関数を使うと次のようになります。

例えば、セルC2に入れた数式は次の通りです。

=IFS(B2>=60,"合格",B2>=40,"再試験",TRUE,"不合格")

 

数式は短く分かりやすいと思います。これがIFS関数のメリットです。

 

「もし〇〇なら~」は、言い換えると「条件に一致する、しないで結果を変えたい」ということです。

 

そして、複数条件で結果を何パターンにも変えることを、IFS関数はできるのです。 

2.引数の指定の仕方

次に、IFS関数の引数の指定の仕方を詳しくみていきます。

 

2-1.「論理式1」には「最優先の条件」を入れる

=IFS(論理式1,値が真の場合1,論理式2,値が真の場合2,…)

「論理式1」には、判定したい「最優先の条件」を入れます。

 

なお、以後も含めて、論理式の書き方のポイントは次の通りです。

ポイント
  • 論理式は「判定対象」→「比較演算子」→「条件値」の順で書く
  • 判定対象には「セル番号」や「数式」がよく使われる
  • 比較演算子には「=、<>、>=、<=、<、>」のどれかが入る
  • 条件値が文字列や日付の場合には「"」で囲む(「"合格"」や「"4月1日"」など)
  • 条件値が数値やセル番号の場合にはそのまま入れる(「1」や「A1」など)
  • 条件値を「空白」としたい場合には「””」と入れる

先ほどの例では、「セルB2が60点以上か?」が論理式1にあたり、「B2>=60」と書いています。

 

「B2」が判定対象、「>=」が比較演算子、「60」が条件値です。

 

2-2.「値が真の場合1」には「論理式1が真の場合に返す値」を入れる

=IFS(論理式1,値が真の場合1,論理式2,値が真の場合2,…)

「値が真の場合1」には、論理式1が真の場合に返す値を入れます。

 

なお、以後も含めて、値が真の場合の書き方のポイントは次の通りです。

ポイント
  • 文字列や日付は「"」で囲む
  • 数値やセル番号はそのまま入れる
  • 空白の場合には「""」と書く
  • 数式を入れることも可能
  • 文字色やセル色の指定はできない

先ほどの例では、「"合格"」が値が真の場合1にあたります。

 

2-3.「論理式2」には「2番目に優先する条件」を入れる

=IFS(論理式1,値が真の場合1,論理式2,値が真の場合2,…)

「論理式2」には、「2番目に優先したい条件」を入れます。

 

なお、書き方のポイントは論理式1と同じです。

 

先ほどの例では「セルB2が40点以上か?」が論理式2にあたり、「B2>=40」と書いています。

 

2-4.「値が真の場合2」には「論理式2が真の場合に返す値」を入れる

=IFS(論理式1,値が真の場合1,論理式2,値が真の場合2,…)

「値が真の場合2」には、論理式2が真の場合に返す値を入れます。

 

なお、書き方のポイントは値が真の場合1と同じです。

 

先ほどの例では、「"再試験"」が値が真の場合2にあたります。

 

2-5.全てに当てはまらない場合の論理式は「TRUE」

このように「論理式3」以降にも同様の書き方で入力しますが、一つ覚えておきたいのが「『全ての論理式に当てはまらない場合』をどう書くか?」です。IF関数でいう「値が偽の場合」のことです。

 

IFS関数では「最後の『論理式』に『TRUE』、最後の『値が真の場合』に『どれにも当てはまらない場合に返す値』」を入力します。

 

そのため、例えば判定したい条件(論理式)が一つの場合、数式は次のようになります。

=IFS(論理式1,値が真の場合1,TRUE,値が偽の場合)

例では論理式1の60点以上か?、論理式2の40点以上か?のどちらにも当てはまらなければ、「不合格」を返すという形でした。

 

つまり3番目の論理式などが最後なので、論理式3に「TRUE」、値が真の場合3に「不合格」と入れます。

=IFS(B2>=60,"合格",B2>=40,"再試験",TRUE,"不合格")

 

ちなみに、論理式3がTRUEになるのは「これまでの論理式に当てはまらないもの全て」という形にするためです。論理式がTRUEだと「すべてが該当」と判定されるのです。

3.IFS関数を使った数式を書いてみる

では先ほどの例を使い、IFS関数で判定結果を表示させてみましょう。

 

まず数式をセルC2に入れ、その後でC3からC5まで数式をコピーします。

 

ちなみに、入力するのは「」内だけで「」は入れないでください。

 

(1)結果を表示させたいセルをクリックする

 

(2)数式バーに「=」を入れる

 

(3)続けて、「IFS(」と入れる

 

(4)fxボタンを押す

 

(5)それぞれの引数に入力する

※ 最後の論理式には「TRUE」を、値が真の場合には「どの条件にも当てはまらなかった場合に返す値」を入力する

 

(6)OKを押す

 

(7)数式を入れたセルの右下にカーソルを当てる

※ カーソルが「+」マークに変わります

 

(8)左クリックを押したまま下まで下げる

 

(9)左クリックを離して完了

「=」や「IFS(」はもし全角で入力しても、OKを押したタイミングで半角に変換されます。

 

また、終わりかっこ「)」も入力しなくても同様のタイミングで自動で付加されます。

 

以上、参考になれば幸いです。

 


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