SUM関数でセル固定する方法|$で相対参照から絶対参照に
ここでは、エクセルの「SUM関数で絶対参照にして固定する方法」を解説します。
数式を他のセルにコピーしても、参照元を動かなくする方法です。
1.セル固定とは?どうすればできるのか?
まずは、そもそもセル固定となにか?、どうすればできるのか?から見てみます。
1-1.エクセルはコピーで参照先が変わる
まず大前提として、エクセルは「数式をコピーすると参照先が変わる」ことを知る必要があります。
一つ例を見てみましょう。
A列とB列にそれぞれ「あ行」と「か行」が入っています。
そしてセルD2に、
=A2
という数式を入れ、結果「い」と表示されています。
このセルD2の数式を、セルD3にコピーしてみます。
すると、コピーした先の数式は、
=A2
ではなく、
=A3
となりました。
コピー元から一つ下にコピーしたので、数式の参照先も一つ下にずれたのです。
これはエクセルの機能の一つで、「相対参照」と言います。
1-2.セル固定とは
セル固定とは「数式を他のセルにコピーした時に参照先を変えない」ことを言い、「絶対参照」とも言います。
先ほどの相対参照の機能は、便利な時がある反面、変わってしまっては困る時もあります。
そこで、変わると困る時には「セル固定(絶対参照化)」をするのです。
1-3.セル固定に使う記号は「$」
エクセルで、セル固定に使う記号は「$」です。
逆に言うと「$」が付いている場合には、セル固定がされているということです。
これは手入力で付けることもできますが、数式入力時にF4キーを押すことで、就けることもできます。
1-4.固定の基本パターンは3つ
あとは、固定の基本パターンも覚えておきましょう。
一つのセルに対して、固定の基本パターンは以下の3つです。
1-4-1.行列ともに固定
このパターンは、「縦横どの方向にコピーしても参照先が変わりません」。
どこにコピーしてもこのセルを参照してほしい、といった時に使います。
1-4-2.行だけ固定
このパターンは、横方向へのコピーで列番号が変わりますが、縦方向へのコピーでは行番号は変わりません。
先ほどの例だと、セルD2に入れた数式を上下にコピーしても、値は「い」のままです。
しかし、一つ右側にコピーすると値は「き」に変わります。
これが「行だけ固定」です。
1-4-3.列だけ固定
このパターンは、縦方向へのコピーで列番号が変わりますが、横方向へのコピーでは行番号は変わりません。
先ほどの例だと、セルD2に入れた数式を左右にコピーしても、値は「い」のままです。
しかし、一つ下にコピーすると、値は「う」に変わります。
これが「列だけ固定」です。
1-5.パターン別「$」の付け方
続いて、固定化のパターン別「$」の付け方です。
=A2
という数式をもとに説明します。ちなみに、Aが列番号、2が行番号です。
1-5-1.行列ともに固定
行列ともに固定したい場合、数式は、
=$A$2
というように、列番号と行番号の前に「$」が付きます。
1-5-2.行だけ固定
行だけ固定したい場合、数式は、
=A$2
というように、行番号の前だけに「$」が付きます。
1-5-3.列だけ固定
行だけ固定したい場合、数式は、
=$A2
というように、列番号の前だけに「$」が付きます。
2.SUM関数でセル固定する方法
続いて、SUM関数でセル固定する方法です。
2-1.範囲の場合はさらにパターンがある
SUM関数は「範囲」を指定します。そして、範囲は「セル番号1:セル番号2」のように、2つのセル番号を入れます。
そのため、固定化のパターンもさらに「セル番号1だけ固定する」、「セル番号2だけ固定する」、「両方固定する」の3パターンがあります。
ただし、「セル番号2だけ固定する」ケースは実践的にはほとんどないでしょう(あくまで経験上です)。
2-2.SUM関数でのセル固定の例
最後に、SUM関数でのセル固定のパターンを確認します。
=SUM(B4:B7)
という数式をもとに説明します。特に「$」の位置に注目してください。
2-2-1.範囲全てを固定
範囲を全て固定したい場合、数式は、
=SUM($B$4:$B$7)
というように、両方の列番号と行番号の前に「$」が付きます。
2-2-2.前のセル番号だけ行列固定
前のセル番号だけ行列固定したい場合、数式は、
=SUM($B$4:B7)
というように、前のセル番号の列番号と行番号の前に「$」が付きます。
2-2-3.前のセル番号の行だけ固定
前のセル番号の行だけ固定したい場合、数式は、
=SUM(B$4:B7)
というように、前のセル番号の行番号の前に「$」が付きます。
2-2-4.前のセル番号の列だけ固定
前のセル番号の列だけ固定したい場合、数式は、
=SUM($B4:B7)
というように、前のセル番号の列番号の前に「$」が付きます。
2-2-5.両方の行だけ固定
両方の行だけ固定したい場合、数式は、
=SUM(B$4:B$7)
というように、両方の行番号の前に「$」が付きます。
2-2-6.両方の列だけ固定
両方の列だけ固定したい場合、数式は、
=SUM($B4:$B7)
というように、両方の列番号の前に「$」が付きます。
だいたいは、これらのうちのどれかのパターンになるでしょう。
以上、参考になれば幸いです。
【口コミ・評判のいいExcel本の紹介】
SUM関数に関連したページは、次の通りです。。
- SUM関数 使いこなすためのポイントはこちら