SUMIFS関数の使い方を分かりやすく!|引数ごとのポイント
ここでは、エクセルのSUMIFS関数の「基本的な使い方」や「応用的な使い方」を、ページで分けて解説します。
このページではまずSUMIFS関数の基本として、SUMIFS関数とはどんな関数か、構文や引数の役割、入れ方、全体的な数式の作り方をみていきます。
1.SUMIFS関数とは?例で動きを確認
始めに、SUMIFS関数とはどのような関数か、そして動きを例で確認します。
1-1.SUMIFS関数とは
SUMIFS関数とは、「『IFS(複数のもしも=複数条件)』に合うデータを『SUM(合計)』」できる関数です。
似たような関数に「SUMIF関数」があります。SUMIFは基本的に条件一つでしたが、複数条件を簡単に指定できるようになったのがSUMIFS関数です。
複数条件にできると例えば、「『営業部』の『第一営業課』だけの有給消化日数を知りたい」、「『東京本社』管轄の『A支店』のみの売上を合計したい」といtったことが簡単にできます。
1-2.SUMIFS関数の動きを例で確認
次に、SUMIFS関数の動きを例で見てみます。
左上は、仕入れ量の一覧表です。産地と品名、仕入れ量が仕入れたごとに入力されています。
この表から、「産地」と「品名」の組み合わせごとに「仕入れ量」を知りたい場合、「条件2つに合う合計」を求めることになるのでSUMIFS関数を使います。
このように、「複数の条件に一致する合計を求める」時、SUMIFS関数を使うと便利です。
2.構文と引数のポイントを分かりやすく確認
次に、SUMIFS関数の構文(数式の形)と引数のポイントを確認します。
2-1.SUMIFS関数の構文
SUMIFS関数の構文(数式の形)は、次の通りです。
SUMIFS関数は最低限、「合計対象範囲」、「条件範囲1」、「条件1」の3つ(の引数)を指定する必要があります。
「条件範囲1(判定したい範囲)」のうち「条件1(条件値)」に一致する行の「合計対象範囲」のみの値を合計します。
なお、条件を増やしたい場合には、「条件範囲,条件」のセットを後ろに追加します。
こうすると、「条件範囲(判定したい範囲)1」のうち「条件(条件値)1」に合い、さらに「条件範囲(判定したい範囲)2」のうち「条件(条件値)2」にも合う行の「合計対象範囲」を合計します。
※ 条件は最大127個まで指定可能
つまり、SUMIFS関数は「AND(かつ)条件」ということです。
2-2.例で引数の役割を確認
先ほどの例で、セルG3に入れた数式は次の通りでした。
=SUMIFS(C3:C12,A3:A12,"福島",B3:B12,"ねぎ")
「合計対象範囲」が[C3:C12」、「条件範囲1」が「A3:A12」、「条件1」が「"福島"」、「条件範囲2」が「B3:B12」、「条件2」が「"ねぎ"」です。
すると、「セル『A3~A12(産地)』が『福島』」、「『セルB3~B12(品名)』が『ねぎ』」の「セルC3~C12(仕入量)」の合計を求めることができます。
このように構文と例を見比べると、SUMIFS関数のどこに何を入れるとどうなるかが、なんとなくでもイメージできるかと思います。
2-3.各引数のポイント
続いて、SUMIFS関数の引数(指定する項目)のポイントです。
2-2-1.「合計対象範囲」には「合計したい範囲」を入れる
合計対象範囲には、「合計したい範囲」を指定します。
ポイントは、次の通りです。
- 指定は1列のみ
- 「条件範囲」と行の範囲を合わせる
合計対象範囲で指定できる列(横)は、基本的に1列です。複数列を指定すると#VALUE!エラーになります(方法はありますので、別のページで解説します)。
また、各「条件範囲」と行(縦)の範囲を合わせる必要があります。先ほどの例だと、「合計対象範囲」が「C3~C12」、「条件範囲1」が「A3~A12」と、同じ「3~12行目」となっています。
合わせないと、正しい結果が返ってきませんので注意しましょう。
2-2-2.「条件範囲」には「判定したい範囲」を指定する
条件範囲には、「条件との一致を判定したい範囲」を指定します。
ポイントは、次の通りです。
- 指定は1列のみ
- 「合計対象範囲」と行の範囲を合わせる
つまり、合計対象範囲と一緒です。
2-2-3.「条件」には「条件値」を入れる
条件には「条件値」を指定します。
ポイントは、次の通りです。
- 「値の型」によってルールがある
型ごとのルールは、次の通りです。
値の型 | 入れ方 | 例 |
数値 | そのまま入れる | =SUMIFS(C3:C12,A3:A12,1) |
文字列 | 「"」で囲む | =SUMIFS(C3:C12,A3:A12,"福島") |
日付・時刻 | 「"」で囲む | =SUMIFS(C3:C12,A3:A12,"4/1") |
セル番号 | そのまま入れる | =SUMIFS(C3:C12,A3:A12,A1) |
「数値」と「セル番号」はそのまま入れ、「文字列」や「日付・時刻」は「"」で囲みます。
3.SUMIFS関数の使い方を確認
続いて、SUMIFS関数を実際に使って「複数条件に合うセルの合計」を求めてみましょう。
先ほどの例を使います。仕入れ一覧表から「産地が福島」で「品名がねぎ」の仕入れ量を求めてみます。
以下手順です。
(1)セルに「=SUMIFS(」と入力後、fxボタンを押す
(2)合計対象範囲をクリックし、「合計したい範囲」を指定
※ 範囲指定は「左ドラッグ(マウスを左クリックしながら動かすこと)」が簡単です
(3)条件範囲1をクリックし、「1つ目の『判定したい範囲』」を指定
※ 範囲指定は「左ドラッグ(マウスを左クリックしながら動かすこと)」が簡単です
(4)条件1をクリックし、「1つ目の『条件値』」を入力
(5)条件範囲2をクリックし、「2つ目の『判定したい範囲」を指定
(6)条件2をクリックし、「2つ目の『条件値』」を入力
(7)OKボタンを押せば完了
SUMIFS関数を使った数式を作る流れは、このような感じです。慣れると簡単です。
4.SUMIFS関数のポイントや注意点
最後に、SUMIFS関数のポイントや注意点です。
4-1.「条件範囲」と「条件」で1セット
「条件範囲」と「条件」は、2つで1セットなことを意識しましょう。
たとえば、「条件範囲1」は「条件1」との一致を判定されます。「条件範囲2」は「条件2」と…です。
「判定したい範囲ごとに条件値を指定する」と考えると、分かりやすいと思います。
4-2.SUMIF関数とは引数の順番が違う
SUMIFS関数は、SUMIF関数と引数の順番が違うため、SUMIF関数からSUMIFS関数に直す時には注意が必要です。
まず、SUMIF関数の構文は次の通りです。
次に、SUMIFS関数の構文は次の通りです。
見比べると、SUMIF関数は「合計(したい)範囲」が一番後ろですが、SUNIFS関数は一番前です。
なので、関数を書き換える時にはこの点に注意してください。
以上、参考になれば幸いです。
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