条件に合うデータを抽出できる数式で以上・以下条件を指定

「条件に合うデータをすべて順に抜き出す数式」を解説する6ページ目です。

 

ここでは、条件に合うデータをすべて順に抜き出す数式で、条件を「以上」、「以下」、または「範囲指定」する方法を解説します。

 

方法は簡単なので、読めばすぐに分かります。

 

なお、解説の1ページ目を見るにはこちらです。

⇒1ページ目へ

1.まずは数式と条件式の基本形を確認

始めに、数式と条件式の基本形を確認します。

 

1-1.数式の基本形は

数式の基本形は、次の通りです。

=IFERROR(INDEX(抽出対象の列,1/LARGE(INDEX((条件式)/ROW(条件範囲),0),ROW(A1))),"")

以上、以下の条件でデータを抽出したい場合、工夫するのは「条件式」のところです。

 

1-2.条件式の基本形は

条件式は、基本的に次の順で書きます。

条件範囲 → 比較演算子 → 条件値

 

「条件範囲」には、条件との一致を判定したい範囲を1列指定します。

 

「比較演算子」には、「=」や「<>」、「>=」などの記号を指定します。

 

「条件値」には、数値や文字列などで直接、またはセル番号を指定します。

 

例えば、

A1:A8=10

といった感じになります。

 

「A1:A8」が条件範囲、「=」が比較演算子、「10」が条件値です。

2.条件を「以上」にしたい場合

条件を「以上」としたい場合、条件式は次のようになります。

条件範囲>=条件値

 

数式全体としては、次の通りです。

=IFERROR(INDEX(抽出対象の列,1/LARGE(INDEX((条件範囲>=条件値)/ROW(条件範囲),0),ROW(A1))),"")

「>=」は以上という意味です。

 

後は各引数を指定すれば、条件範囲が条件値以上のデータを抽出できます。

 

なお、以上は条件値を含みますが、「=」を付けずに「>」とすると、条件値を含まない「~を超え」になります。

3.条件を「以下」にしたい場合

条件を「以下」としたい場合、条件式は次のようになります。

条件範囲<=条件値

 

数式全体としては、次の通りです。

=IFERROR(INDEX(抽出対象の列,1/LARGE(INDEX((条件範囲<=条件値)/ROW(条件範囲),0),ROW(A1))),"")

「<=」は以下という意味です。

 

後は各引数を指定すれば、条件範囲が条件値以下のデータを抽出できます。

 

なお、以下は条件値を含みますが、「=」を付けずに「<」とすると、条件値を含まない「未満」になります。

4.条件を「範囲指定」にしたい場合

条件を「範囲指定」したい場合、条件式は次のようになります。

(条件範囲>=条件値1)*(条件範囲<=条件値2)

 

数式全体としては、次の通りです。

=IFERROR(INDEX(抽出対象の列,1/LARGE(INDEX((条件範囲>=条件値1)*(条件範囲<=条件値2)/ROW(条件範囲),0),ROW(A1))),"")

範囲を指定するには、条件式2つを掛け合わせます。

 

条件値1が「下限値(少ない方の値)」で、条件値2が「上限値(多い方の値)」です。

 

後は各引数を指定すれば、条件範囲が条件値以下のデータを抽出できます。

 

なお、こちらも「=」を付けなければ、条件値を含まなくなります。

5.日付や時刻の場合には注意が必要

日付や時刻の場合には、ちょっと注意が必要です。

 

条件値をセル番号で入れる場合には、これまでの説明通りでいいのですが、式内に直接入力する場合には、関数を使う必要があるからです。

 

日付、時刻のケースそれぞれで、条件値は次の形になります。

【日付】

DATEVALUE("日付")

【時刻】

TIMEVALUE("時刻")

 

例えば、条件を「2021/4/1~2022/3/31」とする場合、数式は次のようになります。

=IFERROR(INDEX(抽出対象の列,1/LARGE(INDEX((条件範囲>=DATEVALUE("2021/4/1"))*(条件範囲<=DATEVALUE("2022/3/31"))/ROW(条件範囲),0),ROW(A1))),"")

 

反対に「2021/4/1」がセルA1に、「2022/3/31」がセルB1に入っている時、条件値をセル番号入れる場合には関数を使う必要がなく、数式は次のようになります。

=IFERROR(INDEX(抽出対象の列,1/LARGE(INDEX((条件範囲>=DATEVALUE("2021/4/1"))*(条件範囲<=DATEVALUE("2022/3/31"))/ROW(条件範囲),0),ROW(A1))),"")

このように、日付や時刻を式内に直接入力する場合には、関数を使わないとエラーになってしまうので、注意しましょう。

 

以上、参考になれば幸いです。

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