SUMIF(S)関数を含む/含まない条件にする|ワイルドカード

ここでは、エクセルの「SUMIF関数やSUMIFS関数で特定の文字列を『含む』、または『含まない』条件にする方法」を解説します。

 

言い換えると、ワイルドカードという記号の使い方の説明です。

1.ワイルドカードとは?種類も確認

SUMIF関数やSUMIFS関数を含む、または含まない条件にする際には、「ワイルドカード」を使います。

 

ここでは始めに、「ワイルドカード」とはなにか、どんな種類があるのかをみていきます。

 

1-1.ワイルドカードとは?-部分一致

ワイルドカードとは、次のようなもののことを言います。

ワイルドカードとは
  • 含む/含まない条件の時に使う「記号」のこと
  • 「*」と「?」の2種類がある
  • そもそもワイルドカードとは「なんでもいい」という意味
  • 「ワイルドカードを条件値に付ける」形で使う
  • 付け方は「前」、「後ろ」、「前後」の3パターン

特にポイントは、「ワイルドカードは『条件値に付ける』形で使う」点です。

 

ワイルドカードは「なんでもいい」という意味なので、例えば条件値の前後に付けると「条件値を含む(条件値の前後はなんでもいい)」という意味になります。

 

また、ワイルドカードを使って行う「含む条件」は、「部分一致」とも呼ばれます。

 

1-2.ワイルドカードを使った数式の例

ワイルドカードを使った数式の例は、次の通りです。

=SUMIF(A2:A5,"*青*",B2:B5)

 

数式は、「A2~A5の範囲で『青』という文字を含んだ行のB2~B5の合計」という意味になります。

 

1-3.「*」と「?」の違い

ワイルドカードには「*」と「?」の2種類があり、違いは次の通りです。

種類 特徴
 *  文字数を指定しない時に使う
 ?  文字数を指定したい時に使う

2つの違いは「文字数を指定するか?」です。

 

この部分は、例を見ると分かりやすいでしょう。

「*」と「?」の違い
  • *青 ⇒ 前に何文字あってもいいから最後が「青」
  • ?青 ⇒ 何か1文字あって最後が「青」
  • *青* ⇒ 「青」の前後に何文字あってもいい
  • ??青?? ⇒ 「青」の前後に何か2文字づつある

例のように、「*」は文字数を指定する時に、「?」は指定する時に使い、「?」は1つ1文字として見られます。

 

この後の説明には、一般的に使用頻度の高い「*」を使いますが、「?」に置き換えると文字数の指定もできます。

2.「含む」条件にする時の基本

次に、SUMIF・SUMIFS関数で「含む」条件にする時の基本的なポイントを見てみます。

 

2-1.ワイルドカードを使う引数は

ワイルドカードは「条件値に付加する」形で使うため、対象となる引数はSUMIF関数なら「検索条件」、SUMIFS関数なら「条件」です。

=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)
=SUMIFS(合計対象範囲,条件範囲1,条件1…)

反対に言うと、「検索条件」、または「条件」以外の指定の仕方は普段通りになります。

 

2-2.ワイルドカードの付け方

ワイルドカードの付け方は2パターンあり、条件値に「文字列を入れる」か「セル番号」を入れるかで変わります。

条件値 検索条件/条件の形
文字列の場合 "*文字列*"
セル番号の場合 "*"&セル番号&"*"

 

このことからSUMIF関数の含む条件は、次のような形になります。

SUMIF関数の場合
  • 文字列 :=SUMIF(範囲,"*文字列*",合計範囲)
  • セル番号:=SUMIF(範囲,"*"&セル番号&"*",合計範囲)

 

また、SUMIFS関数の含む条件は、次のような形になります。

SUMIFS関数の場合
  • 文字列 :=SUMIFS(合計対象範囲,"*文字列*",...)
  • セル番号:=SUMIFS(合計対象範囲,"*"&セル番号&"*",...)

条件値が文字列の場合には、「"」と「*」の間に条件値を入れます。

 

条件値がセル番号の場合には、条件値の前後に「"*"」を&で付けます。

 

ちなみに、「"*セル番号*"」の形にしてしまうと、「セル番号(という文字)を含む」という意味になってうまくいかないので注意してください。

 

2-3.数式の作り方

数式を作る際には、次のステップで行うのが簡単です。

① 数式の形をコピーし、セルに貼り付ける
② 各引数を入力する

一つ例を見てみましょう。

上の表から、「梨」の文字を含む数を合計します。

 

以下手順です。

 

(1)以下の数式をコピーし、セルに貼り付ける

【コピーする数式】

=SUMIF(範囲,"*文字列*",合計範囲)

 

(2)各引数を入力する

 

(3)Enterキーを押せば完了

SUMIFS関数の場合にも、同様に数式の形をコピーして作ると簡単です。

3.「含まない」条件にする時の基本

続いて、SUMIF・SUMIFS関数で「含まない」条件にする時の基本的なポイントを見てみます。

 

3-1.ワイルドカードを使う引数は

対象となる引数は「含む条件」と同じで、SUMIF関数なら「検索条件」、SUMIFS関数なら「条件」です。

=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)
=SUMIFS(合計対象範囲,条件範囲1,条件1…)

 

3-2.ワイルドカードの付け方

ワイルドカードの付け方は、やはり以下の2パターンです。

条件値 検索条件/条件の形
文字列の場合 "<>*文字列*"
セル番号の場合 "<>*"&セル番号&"*"

 

このことからSUMIF関数の含まない条件は、次のような形になります。

SUMIF関数の場合
  • 文字列 :=SUMIF(範囲,"<>*文字列*",合計範囲)
  • セル番号:=SUMIF(範囲,"<>*"&セル番号&"*",合計範囲)

 

また、SUMIFS関数の含まない条件は、次のような形になります。

SUMIFS関数の場合
  • 文字列 :=SUMIFS(合計対象範囲,"<>*文字列*",...)
  • セル番号:=SUMIFS(合計対象範囲,"<>*"&セル番号&"*",...)

含む条件と違うのは、頭に「<>」を付け加えることで、「<>」は「等しくない」という意味です。

 

3-3.数式の作り方

数式を作る際には、次のステップで行うのが簡単です。

① 数式の形をコピーし、セルに貼り付ける
② 各引数を入力する

一つ例を見てみましょう。

上の表から、「梨」の文字を含まない数を合計します。

 

以下手順です。

 

(1)以下の数式をコピーし、セルに貼り付ける

【コピーする数式】

=SUMIF(範囲,"<>*文字列*",合計範囲)

 

(2)各引数を入力する

 

(3)Enterキーを押せば完了

SUMIFS関数の場合にも、同様に数式の形をコピーして作ると簡単です。

4.ワイルドカードを使ったその他の条件の形

最後に、ワイルドカードを「前だけ」、「後ろだけ」に付けた場合についても確認します。

 

4-1.付け方別の意味

ワイルドカードの付け方別の意味は、次の通りです。

付け方 条件の意味
前に付ける =SUMIF(A2:A5,"*青",B2:B5)

「青」で終わる

後ろに付ける =SUMIF(A2:A5,"青*",B2:B5) 「青」で始まる

ワイルドカードを前に付けると「条件値で終わる」、後に付けると「条件値で始まる」という条件になります。

 

4-2.「<>」を付けた場合は

ワイルドカードの他に「<>」を付けた場合には、次のような意味になります。

ワイルドカードの位置 条件の意味
=SUMIF(A2:A5,"<>*青",B2:B5)

「青」以外で終わる

後ろ =SUMIF(A2:A5,"<>青*",B2:B5) 「青」以外で始まる

ちょっとややこしいですが、このような使い方もできます。

 

以上、参考になれば幸いです。

 


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