「処方オーダリングシステム」とは?

一口に電子カルテ・オーダリングシステムといっても、中には色々な機能がつまっており、その中には「処方オーダリングシステム」というものがあります。

 

しかし、「具体的にどんなシステムなの?」と言われると、他のもそうですが、分かりづらいですよね。

 

ここではそんな、「処方オーダリングシステム」について、全体に対する位置付けやシステムの流れ、メリットやデメリットについて解説します。

1.オーダリングシステム全体のイメージ

まずは、オーダリングシステム全体のイメージから確認しましょう。

 

オーダリングシステムは、「部門別の機能」を持っています。

 

具体的にどのような機能を持っているかは開発先によって違いますが、イメージとしては次の通りです。

医師がオーダを出すと、その指示が各部門に届きます。

 

この指示を受けて薬剤科では薬を出す、検査科では検査をする、放射線科ではレントゲンをとるなどの行為をします。

 

その中に「処方オーダリングシステム」と呼ばれる部分があり、オーダの内「処方」についてオーダを受けて処方監査をする、などのことを行うのです。

2.処方オーダリングシステムの基本的な流れ

処方オーダリングシステムとは、システムによって詳細は違いますが、主に「処方オーダのデータを受けて処方監査をする機能」のことで、大まかな流れは以下の通りです。


・医師が処方オーダを登録する

・薬剤科で開いている処方オーダの受け画面にデータが流れる

・薬剤科で「処方監査」を行う → 実施が掛かり医事システムに会計用データが流れる

・調剤し病棟へ搬送する

・病棟で確認し投薬する

 

 

では順番に見てみましょう。

 

2-1.医師が処方オーダーを登録する

始めに医師が処方オーダを登録します。

 

画面イメージとしては次のような感じです。

2-2.薬剤科の処方オーダー受けに表示される

次に薬剤科で普段見る「受け画面」にデータが流れてきます。

 

この際、データが流れてきたことを知らせてくれるシステムもあるかもしれません(当院のはないです)。

 

ちなみに、受け画面のイメージは次のような感じです。

2-3.処方監査を行う(医事に会計データが流れる)

薬剤科で表示された薬歴を見ながら「処方監査」を行います。

この時見逃がすなどして禁忌処方を登録しようとしても、患者情報や病名などの登録をしっかりしていればエラーが出てくれます。

 

そして、このタイミングでオーダに対して実施が掛かり、医事にも会計データが流れます(あくまで当院のシステムではこのタイミングです)。

 

→ 調剤し病棟へ搬送する → 病棟で確認し投薬する

 

ここはシステムに関係ないので、説明は省略します。

3.メリット・デメリット

最後に、処方オーダリングシステムのメリットとデメリットです。

 

3-1.メリット

処方オーダリングシステムを使うメリットは、次の通りです。

 

① 薬剤監査ができる

② 処方箋を運ぶ必要がなく、紛失することもない

③ 薬歴をパソコン上で簡単に確認できる

④ 患者情報や病名を基に自動でチェックが掛かる

⑤ 処方箋の作成が簡単

⑥ 処方箋の可読性が向上する

⑦ 処方箋に必要事項の記入漏れがなくなる


3-2.デメリット

次に、オーダリングシステムのデメリットです。

 

① オーダ入力時の類似名称の薬品や規格の選択ミスが起こる可能性がある

② オーダ入力時の単位間違いが起こる可能性がある

③ 調剤とオーダ修正のタイミングによっては修正前のオーダで調剤してしまう可能性がある

④ 費用が掛かる(高い)

 

3-3.結論

処方オーダリングシステムのメリットは魅力的で、作業の簡素化やリスクの低減が図れます。

 

しかし、デメリットを見ると新たなリスクが生まれることも分かります。

 

そしてそのリスクは、起こり易さに比べて影響度が大きいのです。

 

どのようにしてこのデメリットを解消するか、その組織の運用次第でもあるのではないでしょうか。

 

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